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【男性不妊】精液の質をUPさせるために食べたいおすすめ食材~魚~

皆さんは、肉と魚、どちらを食べる頻度が多いですか?

日本人の消費量を見てみると、魚は年々減少傾向にある一方で、肉の消費量は増加傾向にあります[1]。ですが、精液の質を高めるには、魚を積極的に食べた方が良いことはご存知でしょうか。

今回は、なぜ精液の質を良くするために魚がよいのか、また、おすすめの魚の種類や手軽に食べるための方法をお伝えします[2]。

男性不妊に、魚がおすすめの理由

私たちの身体をつくる細胞には細胞膜があり、その膜はリン脂質が集まって構成されています。

精子の細胞膜には多価不飽和脂肪酸の一種であるDHAを含んだリン脂質が多く存在するため、    ヒトの精液中には高い濃度でDHAがふくまれており、                      精子形成の調節にも関係していると考えられています。

DHAは肉にはほとんど含まれておらず、魚に含まれている脂肪酸です。              そのため、食事からDHAを補うためには魚を食べる必要があり、                 魚の摂取量が多い食事をすることは、精液の質の改善に寄与する可能性があります[2, 3]。

DHAのサプリメントは男性不妊に良い?

精液の質を良い状態に保つためにDHAが必要になりますが、                   DHAをサプリメントから摂ることでも効果があるか気になるところです。

スペインやイラン、カナダで行われた複数の研究をまとめた報告によると、           DHAのサプリメントを摂った人は摂らなかった人に比べて、                   精液の質が改善される可能性があることが示されました。

DHAのサプリメントをどのくらいの量と期間摂ったのかは研究によってばらつきがあるため、    まだ具体的に有効な量にまでは言及できませんが、                       この報告に含まれた研究は1日当たり500mg~2000mg、期間は1~8か月摂取した影響を         検討したものでした[2]。

DHAが多く含まれている魚は?

DHAは魚に多く含まれている油です。魚を含む健康的な食事をしている人の方が、           精液の状態がよいことも分かりつつあります[2]。

一般的に日本人がよく食べる魚のDHAの含有量を見てみましょう。                 日本人がたくさん食べているとされる、さけ、まぐろ、ぶりにも、                DHAが100gあたり、460mg~3200mg含まれていることがわかります[1, 3]。

【魚のDHA含有量一覧】

魚の種類100g当たりのDHA含有量
あじ570mg
まいわし870mg
かつお(春獲り/初がつお)120mg
かつお(秋獲り/戻りがつお)970mg
ぎんざけ890mg
しろさけ(あきさけ)460mg
たいへいようさけ(アトランティックサーモン)510mg
まさば970mg
たいへいようさば2600mg
さわら1100mg
さんま2200mg
まだい(天然)610mg
まだら42mg
ぶり1700mg
ほっけ(開き干し)740mg
きはだまぐろ150mg
ほんまぐろ赤身120mg
ほんまぐろ脂身(とろ)3200mg
引用:文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023

魚を摂るハードルを下げよう!簡単に魚を摂るためのおすすめ方法

外食で魚料理を選ぼう

魚を食べなくなっている理由に、調理が面倒だから、調理の方法を知らないからが上位に挙げられています[1]。魚料理がメニューに多く並ぶ居酒屋や定食屋さんなどにいくようにしてみてみると簡単に魚を摂る機会を増やすことが出来ます。外食は手軽に魚を食べられるチャンス。自宅の近くで美味しい魚料理が食べられるお店を探してみるのもよいかもしれません。

刺身や缶詰など手間のかからないものを摂り入れよう

刺身や缶詰は調理の手間がなく食べられるのが利点です。そのまま食べても美味しいですが、刺身は海鮮丼や刺身サラダなど、缶詰は炒め物や和え物などにもアレンジもできます。刺身は値段が高めですが、夕方ごろにスーパーに行くと安くなっているので、お得な機会を利用するのもいいですね。

コンビニやスーパーに売られている魚料理を利用しよう

魚の焼く臭いが苦手、魚焼きグリルを洗うのが手間と思われている方もいるのでは。コンビニやスーパーでは焼き魚や煮魚も売られているので利用してみるのも魚を簡単に食べるための1つの方法です。出来合いのお惣菜は味付けが濃い場合もありますが、付け合わせに味付けをしていない野菜を添えるなどの工夫をして食事全体で調整をすることで、塩分を摂りすぎないように気を付けるようにしてください。

「魚を積極的に食べる!」という意識改革から

魚は好きだけれど、価格や手間を考えると控えてしまいがちな方もいるかもしれません。しかし、少し視点を変えてみると、無理なく食べる頻度を増やせる選択肢が広がっていきます。DHAをサプリメントから摂ることも1つの選択肢です。ですが、コンビニのおにぎりに鮭を選んだり、おつまみに脂ののっている魚の刺身を食べるようにすることなどでも手軽にDHAの摂取量を増やすことができます。ひと工夫を積み重ねて、少しずつ魚を食べる量を増やしていきましょう!

【参考文献】(すべて2024年1月10日閲覧)

[1] 水産省, 我が国の水産物の需要、消費をめぐる動き, 水産物消費の動向

(3)水産物消費の変化:水産庁 (maff.go.jp)

[2] Falsig AL, Gleerup CS, Knudsen UB. The influence of omega-3 fatty acids on semen quality markers: a systematic PRISMA review. Andrology. 2019 Nov;7(6):794-803. 

The influence of omega‐3 fatty acids on semen quality markers: a systematic PRISMA review – Falsig – 2019 – Andrology – Wiley Online Library

[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023

https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html

【プロフィール】管理栄養士 妊活食事アドバイザー 榊玲里

自身の不妊症の経験をいかし、妊活食事アドバイザーとして不妊で悩む方に向けてコラムの執筆や、オンラインでの栄養カウンセリング、不妊専門クリニックにおいて妊娠しやすい身体づくりのための食事法のセミナーを行っている。著書に「身近な素材ですぐできる手作り健康常備食」(PHP研究所)他。

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