最近、腸内フローラというワードをよく見聞きするようになりましたね。
腸内フローラとは腸内細菌叢のことをさします。 私たちの腸内では、1000種類、100兆個もの腸内細菌が生息している状態を表している造語です。
腸内細菌は肥満、糖尿病、大腸がん、動脈硬化症、炎症性腸疾患などの疾患と密接な関係があり、これらの患者の腸内細菌は健常者と比べて著しく変化していることが知られています。
そして、妊活においても腸内細菌と不妊との関連が多く研究されるようになり注目されています。
腸内細菌とは腸にいて、種類ごとに集団を形成しながら住み着いている菌です。 菌は善玉菌と悪玉菌、そして、どちらでもない中間の菌(日和見菌)の3つに大きく分けることができます。
善玉菌…ビフィズス菌、乳酸桿菌(乳酸菌)など
悪玉菌…ウエルシュ菌、大腸菌の有毒株など
日和見菌…大腸菌の無毒株、連鎖球菌など
腸内細菌の中で一番多いのは日和見菌で、次に善玉菌、悪玉菌は少数です。
健康的な腸は善玉菌が優勢の状態です。 善玉菌が優勢の状態は、善玉菌により乳酸や酢酸がつくられることで、 腸内が酸性になっており、悪玉菌の増殖が抑えられて、腸の活動が活発になります。
腸内細菌は腸内に住んでいるので、不妊とは関係がなさそうにも思いますよね。
ですが、腸内に悪玉菌が多いと、身体全体に炎症が起こりやすくなり、卵巣にも炎症が引き起こされやすく、卵巣から分泌されるホルモンが正常に分泌されなくなる可能性があると考えられています。
排便を済ませた後、便の状態を観察したことはありますか?「便は身体からの便り」という言葉もありますが、便は腸内フローラの状態をはかる1つの大切な指標になります。
善玉菌が優勢で、腸内フローラの状態がよいと、腸が酸性に保たれ、色は黄色から黄色がかった褐色で、においがあっても臭くはなく、形状はやわらかいバナナ状になります。
逆に、色が黒っぽく悪臭がある場合には腸内フローラの状態が悪くなっていることが窺えます。
不妊の原因は様々にあり、一概には言えませんが、腸内環境をよくして、よい便にすることも自分でできる1つの妊活になるかもしれません。
これからのブログで、よい便を出すための食事法についても書いていきますので、良かったら参考になさってくださいね。
【参考文献】閲覧日 2024年8月1日
・Li T, et al. A two-sample mendelian randomization analysis investigates associations between gut microbiota and infertility. Sci Rep. 2023 Jul 15;13(1):11426
・厚生労働省, e-ヘルスネット, 腸内細菌と健康
腸内細菌と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
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