畑のお肉ともいわれている大豆。
低脂肪でたんぱく質を多く含み、日本人に不足しがちなカルシウムや食物繊維も 多く含んでいることから、健康食品として長年親しまれている食材ですね。
また、大豆イソフラボンというポリフェノールの一種も含んでおり、女性ホルモン(エストロゲン) に構造が似ていることから、骨粗しょう症予防や更年期障害の緩和に良いとされています。
しっかり栄養を摂って、卵子と精子の質を良くしたいと思われて妊活をされている方は、 大豆から作れている納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品を積極的に摂られているかもしれません。
ですが、一方で「妊活に大豆の摂りすぎは良くない」「大豆イソフラボンがよくない」 というような情報もあり、摂った方が良いのか摂らない方が良いのか迷われている方も いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、妊活中の大豆製品の摂り方についてお伝えしたいと思います。
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽部分に多く含まれるポリフェノールです。
大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と分子構造が似ているので、 植物性エストロゲンとも呼ばれています。
大豆イソフラボンは通常は糖が結合した構造していますが、糖がはずれた構造のものを 大豆イソフラボンアグリコンといい、ヒトが大豆イソフラボンを摂取すると 腸内細菌の作用により、大豆イソフラボンアグリコンとなり、腸管から吸収されます。
また、大豆の発酵食品である納豆や味噌は発酵の過程で大豆イソフラボンアグリコンが が多く含まれています。
女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをしていると聞くと、妊娠に女性ホルモンが 関わっているので、心配に思われる方もいらっしゃると思います。
妊活中の影響は明らかにされていませんが、日本人は長年、大豆を食べてきており、明らかな健康被害が報告されてないので、妊娠中も含め、日常的な食事として摂る場合には安全であるとされています。
一方で、大豆イソフラボンは女性ホルモン様作用をするため、 摂りすぎてしまうと、ホルモンのバランスを崩してしまう可能性もあるという報告があります。
そのため、内閣府の食品安全委員会では、安全に食べることのできる目安量として、 70~75㎎の大豆イソフラボン量までにすることを推奨しています。
健康志向の高まりから、豆乳を飲む方も増えていますよね。
豆乳の小パック1本200mlには約52mgの大豆イソフラボン(アグリコン)が含まれております。
1日に大豆製品が豆乳のみの場合には、目安量内です。 ですが、豆乳に1パックにイソフラボンを33㎎含んでいる納豆も毎日のように摂ってしまうと 多い傾向にあります。
また、妊活系のサプリメントには大豆イソフラボンが含まれていることもあるので、 今摂られているサプリメントに含まれていないかの確認が必要です。
大豆イソフラボンの平均含有量
味噌大さじ1(18g) | 9㎎ |
豆腐(100g) | 20㎎ |
納豆1パック(45g) | 33㎎ |
豆乳200ml | 52㎎ |
豆腐、納豆、味噌などの食材から、他の料理と組み合わせてバランスよく 食事をしている場合には大豆イソフラボンを摂りすぎてしまう事は考えにくいです。
ですが、豆乳を飲みすぎていたり、大豆製品が中心の食事になると 過剰傾向になってしまうかもしれません。
1日の大豆イソフラボン(アグリコン)70~75㎎を安全目安量として、 毎日の大豆製品の組み合わせを見直してみてくださいね。
【参考文献】
・内閣府, 食品安全委員会, 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A | 食品安全委員会 – 食の安全、を科学する (fsc.go.jp)
・厚生労働省,大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A