Interview

日本人の身体にあった、地中海式和食

「地中海式和食」とはどういうものですか?

今までずっと食の勉強をしてきて、たくさんの方々の食に関わってきて、地中海式の食事を現したフードピラミッドを見たとき、私が思い描いていた「健康食」というもののイメージにバッチリあてはまったんです。
そして世界的に見ても、この地中海式の食事が栄養学的にも疫学的にも優れているというデータが揃っていて、私にとってはすごく説得力のある食事法でした。

そこに「和食」を取り入れたのは、日本の文化や風土、そこで育った日本人の体質に合うもので、地中海式の食事と同じ条件が作れないかと考えたからです。
そして、摂取量のバランスなども分かりやすくするためにピラミッド図にしたものが下のイラストです。
東京都大田区で「本物の食材を届けること」をモットーにしたお店「自然農場まほろば」を営んでいる、須山弘子さんに描いていただきました。

地中海式ではパンやパスタなどの穀類で補っている土台を日本人にはなじみの深いお米に置き換え、オリーブオイルは少し癖があって和食に合わないこともあるので、そういった場合には同じくオレイン酸を多く含むなたね油や比較的オレイン酸が多く遺伝子組み換えの心配のないこめ油などに置き換える。 良質な油を捕ってもらいたいので、不足しやすいαリノレン酸を多く含むしそ油やえごま油も加えています。
地中海式食事法には乳製品が含まれているのですが、地中海式和食には乳製品を加えていません。現代の日本人が好む洋菓子や飲み物なんかには乳製品が多く含まれていて、乳脂肪の摂取量が多くなりすぎる傾向にあるので、動物性脂肪の捕りすぎによる害を考えると、あえて加える必要はないと考えました。

こうしてパッと見てわかる図になってると分かりやすいですね。

そう、できるだけ簡単、シンプルに(笑
これを見たらベースがお米、その次に野菜や果物、良質な油、魚介類、卵や鶏肉、赤身のお肉という順番で摂取量を考えれば良いんだと分かる。
お米をベースに野菜や海藻、きのこを多めに、赤身のお肉よりは魚介類を多めに、とか、選ぶ基準にしてもらえたら良いなと思います。

一食の摂取量のめやすも、分かりやすいイラストを描いてもらいました。

これは食べる人の手で考えて下さい。女性や男性、小さな子どもでも、食べる人の手でだいたいこのくらい、という感じ。

難しく考える必要はなくて、必要な食材も分量も、ざっくりで良いんです。
イメージが湧きやすいようにイラストにしてもらったので、だいたいこんなもんかな、って選ぶ基準にしてもらえたら嬉しいです。

本当に豊かに生きていくために

体が元気だと、こころも晴れやかになります。
私は人は本来完璧な存在だと信じていて、なるべく自然に近い暮らしをすることが、本来の生命力やエネルギーが損なわれることなく、健康的に美しく生きていく秘訣なんじゃないかと。

市販されている加工食品の原材料名を見てみると、大半は聞いたこともないようなカタカナの文字が並んでいる。
CMやPRによって、身体に良さそうなイメージをまとって売られている食品に含まれている、正体も分からないものを日々口にしながら、健康を心配して健康診断や定期健診を受け、放射線を浴びる。
それってちょっと矛盾していると感じるんです。

こんなことを言ったらちょっと重たいのかもしれませんが、私は真摯に食と健康に向き合っている方々、例えば美味しい食材をできるだけ自然な条件で生産している方々に、「買うこと」で投資をしていきたいと思っています。
健康に、豊かに、幸せに生きていくために。


インタビューの間も、私の個人的な食の質問に対して分かりやすく、的確に答えて下さった玲里さん。
「私は<管理栄養士>という仕事に誇りを持っているんです。」という言葉が印象的でした。

玲里さんの提案する「地中海式和食」は、その深く幅広い知識と経験からの引き算によって導き出された、本当に誰でも簡単に取り入れることができる食事法。
事実、インタビュー後、私自身の食生活は少しづつ変化しています。「気軽に簡単にできることから」という彼女の言葉と、「食を通して人々を幸せにしたい」という想いに支えられて。

Written by 永井しほこ
ライター・写真家
http://www.shihoko-life.com

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