妊活をしていても、妊娠が成立しない時、何が原因かを考えてしまいますよね。
SNSで不妊の原因を調べていると、「~を食べると妊娠が遠ざかる、流産の可能性が高まる」
などの情報が多く出回っています。
そのうちの1つとして、添加物を気にされている方も多いのではないでしょうか。
添加物は実際に、妊活を妨げる原因になってしまうのでしょうか?
今回は、添加物が含まれている食品について、妊活中のとり方をお伝えします。
食品に「無添加」と書いてあると、安心して商品に手が伸びるということはないでしょうか。
でも、身体に悪そうなイメージを抱きがちな食品添加物ですが、私たちの食生活を支えているものでもあります。現在で831品目の添加物があり、様々な用途に使われています。
まずは食品添加物の役割を確認してみましょう。
~食品添加物の役割~
〇食品を長持ちさせたり、食中毒の予防をする
・酸化防止剤(酸化防止剤・マーガリンなど)
・保存料(お惣菜類・肉や魚の加工食品など)
〇食品の色や香りをよくして、おいしそうに感じさせるもの
・着色料(かき氷のシロップ、ゼリーなど)
・漂白剤(かんぴょう、缶詰のさくらんぼうなど)
・香料(菓子、清涼飲料水など)
・発色剤(ハム、ソーセージなど)
〇味や食感をよくして、おいしくするもの
・甘味料(ヨーグルト、漬物、佃煮など)
・糊料(ジャム、アイスクリームなど)
〇その食品添加物がないと作れないもの
・かんすい(中華めん、ワンタンの皮など)
・豆腐凝固剤(豆腐、油揚げなど)
〇栄養をさらに高めるもの
・栄養強化剤(粉ミルク、スポーツドリンクなど)
引用:森田昌敏, くらしの中の化学物質大辞典, くもん出版, p6
では、実際のところ、食品添加物が含まれている食品を摂っていると不妊になりやすかったり、妊娠した場合にも赤ちゃんに影響を及ぼしてしまうのでしょうか。
妊活に関して、食品添加物の影響をきちんとお示しできる科学的根拠のある情報はありません。ですが、食品安全委員会*では、さまざまな動物試験などの結果を用いて調査研究をしています。
そして、胎児への影響、発がん性、蓄積性などの観点から人の健康への影響を評価し、一生涯毎日食べても人の健康に悪影響を及ぼさないと考えられる「許容一日摂取量」(ADI)などを決めて、食品添加物の使用を許可しています。
さらに、厚生労働省の調査結果では、実際の食生活から口にしている量は、ADIの概ね1%未満で、妊婦・胎児・小児を含めて、通常の食生活をしている限り、健康に悪影響が出ることは考えられないとしています。
*食品安全委員会とは・・・
化学的根拠に基づき客観的かつ中立公正に食品の健康リスクを評価する内閣府の機関
問題ないと知ると安心する反面、やはり、自分が知らない成分が食品に含まれているのを目にしたり、SNSの文面を目にすると不安になることもあるかもしれません。気持ちの持ちようが難しいところでもあります。
ですが、食品添加物を気にしすぎてしまう食生活は、栄養が偏る原因になったり、ストレスの原因にもなります。食事を楽しめる範囲でなるべく加工されていない食べ物を選ぶようにされるなど、食の選択肢を狭めてしまわないように心がけると良いかもしれません。
<参考文献>
・内閣府, 食品安全委員会, 食品添加物
食品添加物 | 食品安全委員会 – 食の安全、を科学する (fsc.go.jp)
・内閣府,食品安全委員会,お母さんになるあなたと周りの人たちへ
お母さんになるあなたと周りの人たちへ | 食品安全委員会 – 食の安全、を科学する (fsc.go.jp)
・森田昌敏, くらしの中の化学物質大辞典, くもん出版, p6