貧血といえば、女性に多い症状の1つですよね。
だるさがとれなかったり、息切れがあったりすると、貧血かな、と思われる方も多いと思います。
血液中のヘモグロビン値(血色素量)が女性で12.0g/dl以下だと貧血の診断名がつくようです。
ヘモグロビンは、血液中の酸素を運搬するたんぱく質で、
鉄を含む【ヘム】と【グロビン】というたんぱく質からできています。
鉄を含む【ヘム】は酸素と結びつく力が強く、全身に酸素をいきわたらせるのに大切な役割を
持っているので、鉄の摂取量が不足してしまうとヘモグロビンが合成できなくなるので、
息切れや動機、疲労感、頭痛などが起きやすくなる鉄欠乏性貧血になってしまいます。
妊娠すると血液量が増えることで貧血になりやすくなるので、妊活中の今から
貧血の予防改善は、快適な妊娠生活にも繋がります。
日本人女性(30歳~49歳、月経あり)の鉄の摂取量の平均値は女性7.3㎎
(令和元年国民健康・栄養調査)ですが、推奨量は10.5㎎となっているので
不足している方が多いことが見受けられます。
特に生理の時の出血量が多い方はより多くの鉄が必要となり、推奨量は16㎎以上と
なるのでより意識して鉄を摂る必要があります。
鉄の多い食材と言えば、レバーや赤身肉が多いことで有名ですが、
日本人は鉄の7割を植物性の食品から摂っているんです。
なので、鉄を多く含むレバーや赤身の肉を食べることも鉄の補給に良い方法ですが、
日常的に食べている植物性の食材で鉄の多いものを摂るようにすることも
鉄不足を補うのにお勧めの方法です。
野菜には100gあたり1㎎前後の鉄が含まれていますが、野菜の中でも2㎎を超えている
食材があります。これらの野菜を意識して摂ると1日に10.5㎎の鉄が摂れやすくなるので
ぜひ、買い物リストに以下の野菜を積極的に加えてみてください!
【100gあたりの鉄の含有量】
枝豆(ゆでまたは冷凍) 2.5㎎
小松菜(生) 2.8㎎
小松菜(ゆで) 2.1㎎
かぶの葉(生) 2.1㎎
かぶの葉(ゆで) 1.5㎎
大根の葉(生) 3.1㎎
大根の葉(ゆで) 2.2㎎
サラダ菜 2.4㎎
サニーレタス 1.8㎎
水菜(生) 2.1㎎
水菜(ゆで) 2.0㎎
パセリ 7.5㎎
いつもの食事にかぶの葉としらすを炒めたおかずを加えたり、
スムージーでパセリや小松菜を入れたり、
サラダのレタスをサニーレタスやサラダ菜に代えたり、
小腹が空いたときには冷凍の枝豆を食べるようにしてみたり・・・
そのような積み重ねで鉄の摂取量は大幅に増やすことができます。
動物性の鉄は吸収率が高くて、植物性の鉄は吸収率が低いので
野菜からの鉄を摂っても、吸収されないのでは・・・と思われている方も多いと思います。
実際に動物性の鉄の吸収率は50%、植物性の鉄の吸収率は15%と考えられており、
だいぶ差があるので、効率の良さを考えると動物性の食材から鉄を補給するのがよいのですが、
日本人は鉄の70%を植物性の食品から摂っているので、
推奨量である10.5㎎も植物性食品から摂ると仮定して定められています。
植物性は意味がないと心配なさらずに、植物性の食材も積極的にとることでも
貧血予防、改善ができます。大豆製品にも鉄は多く含まれているので、
肉に偏らず、大豆や野菜をベースにしながらレバーや赤身肉も
適度に摂り入れていきましょう。
【参考文献】
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」