最近、夫婦で栄養カウンセリングを受けてくださる方が多く、以前は女性だけが頑張っているイメージであった不妊治療が変わりつつあることを感じています。
男性は、子供を産むことができないので、女性よりも子育てに関わりづらくなりがちですが、妊活中から二人で協力し合ってできることをしていくことは、妊娠した時から父親である意識がより高まることにつながるので、とても素敵なことですよね。
妊活しないで子供を授かれたら・・・と切なくなる思いはぬぐい切れないけれど、妊活しているからこそ気が付いたこと、得られる経験もあるのかな、私はそんなことを思いながら妊活していました。
精子の質をよくするというと、亜鉛!牡蠣!というイメージをお持ちの方が多く、実際に亜鉛のサプリメントをおとりになっている方はカウンセリングをしていても多いように感じています。
確かに亜鉛は不足している方が多い傾向にある栄養素なので、食事から不足している場合にサプリメントからも補給することは悪いことではないのですが、身体も精子も亜鉛からだけで作られているのではなく、様々な栄養素から作られているので、日々の食事を整えて5大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)+抗酸化物質と食物繊維をしっかりととっていくことがまず大切なことです。
精子の質を改善するのによい食材として野菜と果物、マメ科の植物、魚が挙げられます。
逆に飽和脂肪酸の多い肉(特に加工肉)や全脂肪乳製品(低脂肪でない乳製品)の摂りすぎは精子に悪影響があるとされています*
最近の食事を振り返った時に、
△魚が少なく、肉料理が多かった
△果物をあまり食べていない
△納豆や豆腐などの大豆製品はほとんど食べていない
△野菜の量が少ない
など思い当たることがありますか?
忙しいと食事のことが二の次になってしまいがちですが、
◎外食するときには魚料理をチョイスするようにしてみる
◎朝に果物を摂るようにしてみる。
◎納豆を常備して2日に1回は食べるようにしてみる。
◎おつまみに食べているスナック菓子を冷凍枝豆に代えてみる。
など少しの工夫を重ねて、野菜と果物、マメ科の植物、魚の食べる量を増やしていけるとよいですね。
食事は薬のように即効性は期待できませんが、コツコツと続けていくことで、精子の質も体調も変わってきます。自分の体調の変化を楽しみながら、より良い食事の選択肢を増やしていきましょう。
【参考文献】
Benatta M, Kettache R, Buchholz N, Trinchieri A. The impact of nutrition and lifestyle on male fertility ArchItal UrolAndrol.2020Jun24;92(2).doi: 10.4081/aiua.2020.2.121.